飛騨地域の変わりやすい気候風土が育てる飛騨牛とは?
「飛騨牛」は、北アルプスの広大な自然と清らかな水、そして世界遺産白川郷などでも有名な岐阜県で育てられる黒毛和牛です。ここでは、数々の受賞歴を誇る「飛騨牛」の特長や美味しい食べ方などをお伝えします。
目次
飛騨牛について
飛騨牛の読み方
「飛騨牛」の正しい読み方、わかりますか?
実は「飛騨牛」にはふたつの読み方があります。
まず「ひだうし」と呼ぶ時は、飛騨地方で育てられている牛全般のことを指します。
それに対して、「ひだぎゅう」は、飛騨牛の厳しい定義を満たし、食肉用に加工されている牛のことをいいます。
飛騨牛の定義
「飛騨牛」(ひだぎゅう)の定義は、
・飼養期間が最も長い場所が岐阜県
・飛騨牛銘柄推進協議会登録農家が肥育した牛
・14ヶ月以上肥育された黒毛和種の肉牛
・日本食肉格付協会が実施する牛枝肉格付の肉質等級が5等、4等、もしくは3等級
これら4つの条件を満たしていると認定された牛が「飛騨牛」(ひだぎゅう)と呼ばれます。
飛騨牛表示ラベル
「飛騨牛」(ひだぎゅう)と認定されたものには、「飛騨牛 岐阜県産」の表示ラベルが交付されます。
ラベルには、肉質等級のほか、生産者氏名、個体識別番号、そして認定日が記入されます。
また、「飛騨牛」は、格付けに応じて「最上級品(5等級)」・「上級品(4等級)」・「標準品(3等級)」と表示されます。
飛騨牛の歴史
飛騨牛ブランドの誕生
岐阜県では、かつて役牛と呼ばれる農耕用の牛が飼われていました。昭和30年代に入ると農業の機械化が進み、役牛はしだいに肉用牛として飼育されるようになりました。
そして、昭和50年代には、岐阜県内で育てられていた様々な地域名がついた和牛が、「岐阜牛」という呼び名で統一されます。
その後「飛騨牛の父」と名高い「安福号」という種牛の導入などで肉質が向上。
「岐阜牛」あらため「飛騨牛」というブランド名で、銘柄牛の歴史を刻んでいくことになりました。
飛騨牛の父「安福号」
「飛騨牛の父」として名高い種雄牛「安福号」は、昭和55年、但馬(たじま)牛の産地である兵庫県美方郡村岡町に生れました。
兵庫県産但馬牛は優秀な遺伝力を持ち、日本各地の和牛の改良に導入されている品種です。神戸牛や特産松阪牛などの有名銘柄牛の素牛(もとうし)でもあります。
岐阜県は、「安福号」を1000万円で落札しました。
「安福号」の子牛は産肉成績がとても良く、当時は平均25万円程度だった飛騨牛の子牛価格が、安福号の子牛が出回るようになると上昇し、1991年(平成3年)には70万円を超える価格で取引されるようになりました。
安福号の子孫の数はなんと4万頭!驚くべき数字ですね。
現在も、安福号の血統を引き継ぐ「飛騨白清号」や「白清85の3号」などの後継牛が活躍しています。
飛騨牛の受賞歴
飛騨牛は、「全国和牛能力共進会」と呼ばれる和牛のコンテストで、数々の受賞歴を誇ります。
平成14年(2002年)には、最高位である「名誉賞(内閣総理大臣賞)」に輝き日本一になりました。
同時に最も優れた牛枝肉(えだにく)が選ばれる「最優秀枝肉賞」も受賞。その年のコンテストの全部門を制覇します。
翌年も最優秀枝肉賞二連覇を果たし、「飛騨牛」の名をゆるぎないものにしました。
また、近畿東海北陸連合肉共進会では、神戸牛や松阪牛、近江牛などの有名ブランド牛と競い、これまでに3度も「最優秀枝肉賞(農林水産大臣賞)」を受賞しトップに輝いています。
このように、飛騨牛は、「安福号」の導入をはじめ、品質改良へのたゆまぬ努力が実を結び、日本全国で認められる銘柄牛としての地位を築き上げたのですね。
飛騨牛の特徴
飛騨の恵まれた自然環境で育てられた飛騨牛は、きめ細かでやわらかな肉質と、繊細な霜降り、そして豊かな味わいが特長です。
細かいサシの入った美しい霜降りのお肉は、人肌で溶け出し、口の中に入れるととろけるように感じられます。
実は、岐阜県は日本食肉格付協会が実施する牛枝肉格付で、最高等級の5等級の発生率が全国平均をはるかに上回っています。
そんな素晴らしい肥育技術を持つ生産者たちが育てた飛騨牛なら、上質の美味しさが期待できますね!
飛騨牛の美味しい食べ方
飛騨牛のステーキ
お肉がピンク色に見えるほど細かい霜降りがたくさん入った飛騨牛。
そのとろけるような口溶けを楽しむおすすめの食べ方は、まずはステーキです。
じんわりしみ出す脂のうまみを楽しむなら、飛騨牛のサーロインやリブロースのステーキを選んで。
一方、飛騨牛の赤身のお肉の柔らかさをステーキで楽しみたい方には、飛騨牛のヒレステーキがいいでしょう。
そして、贅沢を極めたい方には、希少なヒレの中の希少部位シャトーブリアンがおすすめです。
自宅でステーキを美味しく焼くポイント2つ
自宅で飛騨牛のステーキを上手に焼くコツの1つ目は、必ず焼く前にお肉を室温に戻しておくこと。
もう一つは、飛騨牛のステーキが焼き上がったら、カットする前に最低5分はアルミフォイルに軽く包んで休ませることです。
休ませることで肉汁がなじんで、カットしたときに肉汁が流れ出るのを防ぎます。
飛騨牛の焼肉・しゃぶしゃぶ・すき焼き
飛騨牛のリブロースやサーロインなど霜降りの多い部位は、薄切りで焼肉やしゃぶしゃぶ、すき焼きで食べるのもおすすめです。
サシのたくさん入った飛騨牛の薄切りは、口に入れた瞬間に舌の上でとろけるように感じられます。
霜降りの薄切り肉の美味しさを最大限に楽しむコツは、決して加熱し過ぎないこと。
サッと火を通して、飛騨牛の柔らかな口どけを楽しんでください。
薄切り肉で血液サラサラ焼肉サラダ
飛騨牛の薄切りをサッと焼き、皿に並べます。その上からたっぷりの玉ねぎスライスと刻んだネギをのせます。黒コショウをガリガリ挽いて、ゆず風味のポン酢など好みのタレでいただきます。
玉ねぎは水にさらさない方が血液サラサラ効果が高くなりますよ。
飛騨牛のローストビーフ
繊維が細かく肉質がとても柔らかい飛騨牛は、ローストビーフで食べるのもおすすめです。
ローストビーフにぴったりの飛騨牛の部位は、もも(うちもも、しんたま)やランプです。柔らかい赤身のお肉にぎゅっとつまった旨味をじっくり味わえます。
また、飛騨牛のリブロースの塊で作るローストビーフなら、ステーキのように厚切りにして、オージュソースとホースラディッシュを添えて食べるのも贅沢な楽しみ方です。
ローストビーフ・アレンジ
ローストビーフ丼
飛騨牛のローストビーフを薄切りにして炊きたてごはんの上に並べ、新鮮な卵黄を真ん中に落とします。刻んだネギを散らして、ワサビ醤油や好みのタレでいただきます。
飛騨牛の通販・ギフトの選び方
「名誉賞(内閣総理大臣賞)」や「最優秀枝肉賞(農林水産大臣賞)」など、数々の受賞歴を誇る飛騨牛。
まだ食べたことがない和牛グルメファンの方なら、一度は味わってみたいと思うのではないでしょうか。
日本全国いつでもどこでも買えるわけではない銘柄牛は、通販で手に入れるのが便利ですね。
もちろん、品質の優れた飛騨牛なら、お世話になった方へも安心して贈ることができます。
飛騨牛はとても柔らかく、しつこさのない味わいなので、幅広い年代層の方への贈り物に最適です。
ご年配の方へのギフトなら、柔らかい飛騨牛のしゃぶしゃぶやすき焼がおすすめ。
グルメ志向の方へは、サーロインやリブロースのステーキ。
そして、健康志向の方へは、赤身の多いヒレステーキも喜ばれるのでは。
家族が多い方や、アウトドアでBBQがお好きな方には、みんなでワイワイ楽しめる飛騨牛の焼肉も、きっと喜んでもらえるのではないでしょうか。
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