きめ細かな霜降りと豊かな和牛の香りが特長の米沢牛とは?
米沢牛は、山形県置賜(おきたま)地域で育てられている黒毛和牛です。
吾妻連峰や数々の温泉に恵まれた風光明媚な土地で、32か月以上かけて育てられる米沢牛は、きめ細かな霜降りと豊かな和牛の香りが特長です。
ここでは、明治時代からの歴史ある米沢牛の定義や特徴、そして美味しい食べ方などをご紹介します。
目次
米沢牛について
米沢牛の読み方
「米沢牛」の正しい読み方は「よねざわぎゅう」です。
米沢牛の定義
「米沢牛」の定義は、
・山形県置賜(おきたま)地区の3市5町に住む認定された飼育農家が飼育した牛で、登録された牛舎での飼育期間が最も長いもの
・黒毛和種の肉牛
・未経産雌牛
・米沢牛枝肉市場または東京食肉中央卸売市場に上場されたものか、米沢市食肉センターでと畜され、日本食肉格付協会の格付けを受けた枝肉
・生後月齢32ヶ月以上
・日本食肉格付協会の格付けが3等級以上で、外観・肉質・脂質が優れている枝肉
などの条件を満たす牛が「米沢牛」と認められます。
なお、置賜地区の3市5町には、米沢市、南陽市、長井市、高畠町、川西町、飯豊町、白鷹町、そして小国町が含まれています。
米沢牛証明書
「米沢牛」と認定されたものには、「米沢牛証明書」が交付されます。
証明書には、肉質等級のほか、生産者指名、個体識別番号、そして認定日が記入されます。
また、米沢牛を取り扱う米沢牛販売指定店の店舗やレストランには、「指定店証」と「米沢牛販売指定店」と記された「米沢牛」の飾り駒があります。
米沢牛のランク
米沢牛にはA3~A5、B3~B5、C3~C5のランクがあります。
ランクのA・B・Cは保留等級と呼ばれるものです。
牛から骨、頭、皮、内臓などを取った後の肉を枝肉(えだにく)といいます。
保留等級は、牛1頭から取れる枝肉の割合の評価で、よりたくさん枝肉がとれるほど良いとされます。ABCの3段階で評価され、最高評価はAです。
保留等級は肉の味とは基本的には関係ありません。
一方で、ランクの数字の部分は、肉質等級です。
肉質等級は、霜降りの度合いや、肉の色つや、きめや締まり、そして脂肪の色つやと質の4つのポイントを評価したものです。
1から5までの5段階で評価され、最高評価は5です。
保留等級と肉質等級を合わせたものが米沢牛をはじめとする和牛のランク(格付け)になります。最高ランクはA5です。
米沢牛の歴史
米沢牛の歴史は、日本が劇的な変化を遂げた明治初期にさかのぼります。
「成せばなる 成さねばならぬ 何事も」の歌で有名な上杉藩主・鷹山公ゆかりの藩校「興譲館(こうじょうかん)」。
1871年(明治4年)、その興譲館にイギリス人教師チャールス・ヘンリー・ダラス氏が招かれます。
ダラス氏は、4年間米沢の地に滞在し、教鞭を執りました。
当時の米沢では四つ足の動物は食べないとされていましたが、故郷の食を懐かしむダラス氏が米沢牛を食してみました。これが米沢牛のはじまりといわれています。
米沢牛の美味しさに感動したダラス氏は、1875年(明治8年)に任期を終え横浜に帰るときに、米沢牛を1頭連れていきました。
そして、友人たちに米沢牛をふるまうと、誰もがその美味しさに驚き、米沢牛の評判が広がりました。
このように、米沢牛は100年以上もの歴史ストーリーを持つブランド牛なのです。
米沢市の松が岬第二公園には、米沢牛の「恩人」チャールズ・ヘンリー・ダラス氏の記念碑が建てられ、米沢牛の歴史を伝えています。
米沢牛の特徴
霜降り度の高い山形産の牛肉
和牛枝肉の格付けには色々な項目がありますが、そのひとつが、肉の霜降り度合いを示す「BMS(脂肪交雑基準値)」。最高値はBMS 12です。BMS 8から12までが上位ランクとなり、肉質等級の5相当にあたります。
2011年度に生産された日本全国の枝肉でBMS 10以上のものは、和牛の雌牛では山形県が全国で一番多く、日本全国の出荷頭数の2割を占めるという結果になりました。
特に、最高級のBMS 12にいたっては、全国の1/4を超える27.9%が山形産となるなど、霜降り度の高さが目立ちます。
(出典:「牛枝肉格付情報 平成23年4月~24年3月」(社団法人全国肉用牛振興基金協会、社団法人日本食肉格付協会編))
米沢牛の美味しさの秘密
米沢牛の美味しさの特長は、脂の質。
米沢牛の上質の脂には不飽和脂肪酸(オレイン酸等)が多く含まれます。この不飽和脂肪酸は融点が人肌よりも低いので、口の中に入れるととろけるように感じられるのです。
また、熱を加えたときに発生する和牛独特の香り「和牛香」も豊富です。
米沢牛が美味しい理由のひとつは、国産の稲わらや、大麦、とうもろこし、大豆かす、フスマ、米ぬかなど、生産者が独自にブレンドした餌を食べて育つから。
米沢牛はより良い肉質を作るために工夫を重ね、愛情をかけて育てられているのです。
米沢牛の美味しい食べ方
米沢牛のすき焼き
米沢牛のふるさと置賜地方には、独特のすき焼きの作り方があります。
この置賜地方のすき焼きの作り方は、いわゆる関東風でも関西風でもないユニークな方法です。
牛肉が高温の鍋や割り下に直接触れないので、脂の融点の低い米沢牛を美味しく食べるのにぴったりの作り方になっています。
置賜地方のすき焼きの作り方
まず、すき焼き鍋を熱し、牛脂を入れて脂をとかします。
この後、関東風なら割り下を入れ、関西風なら牛肉を入れますよね?
ですが、置賜地方のすき焼きでは、まず最初に、野菜や豆腐、しらたきなど、牛肉以外の材料を入れるんです。
次に、牛肉を広げながら、野菜を覆うようにのせていきます。牛肉で野菜にフタをするようなイメージです。
そして、割り下を加えます。割り下と野菜の蒸気で牛肉に火が通っていきます。
牛肉の表面の色が変わったらできあがり。
食べるときに牛肉を割り下にくぐらせて、生卵と一緒にいただきます。
牛肉以外の材料にしっかり味をつけたいときは、牛肉で野菜にフタをする前に割り下を入れて煮て、その後に牛肉をのせるといいですよ。
この置賜地方のすき焼きは、米沢牛以外の牛肉でも試したくなりますね!
米沢牛のステーキ
上質の脂のうまみを持つ米沢牛は、ステーキもハズせない食べ方です。
お肉本来の甘やかな美味しさを最大限に楽しむには、焼き加減はレアかミディアムレアがおすすめ。
じゅわっと口の中に広がる肉汁やとろける食感を楽しみたいときは、サーロインやリブロースなどの霜降りの多い部位を選んでみてください。
反対に赤身の多いステーキが好みの方は、ヒレの柔らかな食感と赤身のうまみを楽しんでみては。
米沢牛のしゃぶしゃぶ
米沢牛の豊潤な和牛香を楽しみたいときは、しゃぶしゃぶにするのがおすすめです。
和牛香を満喫するにはさっとダシにくぐらせるしゃぶしゃぶの食べ方は最適です。
米沢牛の通販・ギフトの選び方
明治時代から歴史と定評のある米沢牛。
きめ細やな霜降りの入った柔らかい米沢牛のお肉を味わってみたいものですね。
ですが、和牛とはいえ、米沢牛のようなブランド牛は、いつでもどこでも手に入るというわけではありません。確実に手に入れるには通販を使うのがおすすめです。
また、米沢牛は日本三大和牛にもたびたび数えられるほど評判の高いお肉ですので、お世話になった方への贈り物にも最適です。
米沢牛ギフトのイチオシはすき焼きです。
この記事でご紹介した「米沢牛のすき焼き」の作り方を一緒にプレゼントするのもいいですね。
もちろん、米沢牛のステーキやしゃぶしゃぶ、焼き肉も、幅広い年齢層の方に喜ばれる贈り物になるのではないでしょうか。
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