黒毛和牛・牛肉の「ヒレ」とは? 部位の特徴・気になるカロリーとおいしいステーキの焼き方をご紹介します!
牛肉の中でも高級で値段が高い「ヒレ」。サーロインと並んでステーキ用のお肉として一般的なお肉です。
贈り物にも重宝されており、神戸牛や松阪牛といった高級ブランド牛の「ヒレ」は、どんな方にも喜んで頂くことができます。
今回は「ヒレ」の特徴から、おいしいステーキの焼き方までご紹介させて頂きます。
目次
牛肉の「ヒレ」はどこの部位?
まず牛肉のヒレとはどこの部分を指すのでしょうか。
ヒレは牛の背中の部分にあたり、サーロインの中にある細長い部位となります。
牛肉はネックやスネなど部位の運動量が多い部位は、運動量に比例してスジが多く固いお肉となります。一方、背中の部分は運動量が少ないため、リブロース、サーロイン、ヒレといった背中部分に位置するお肉は、柔らかなお肉となっています。
その中でもヒレは肋骨の内側にあるお肉であり、リブロースやサーロインに比較し、脂も少ない部位となっています。
牛肉の全枝肉の中でも3%ほどしかとることができない希少な部位です。
4つの部位に分けられる「ヒレ」・・・「ミニョン」「シャトーブリアン」「テート」「サイドマッスル」
そんな貴重なヒレですが、ヒレの先端、中心、付け根、側面にそれぞれまた違う名称があります。
ヒレの先端を「ミニョン」、中心を「シャトーブリアン」、根本の部分を「テート」、そしてミニョンからテートまでのヒレ側面に沿って付いている「サイドマッスル」と呼びます。
この中で一般的に知られているのはシャトーブリアンだけではないでしょうか。
「ヒレ」の中心部シャトーブリアン
「ヒレ」の中の、さらに中心部に位置する部位が「シャトーブリアン」です。一頭の牛から1kg以下しかとることができない超希少部位。
牛肉の中では一番高額な値が付く、世界中の美食家を魅了してやまない、正にヒレの中のヒレと呼ぶべき部位です。
もちろんただ数量が取れないから高いのではなく、その柔らかさ、形状、味、どれもが1級品なのが「シャトーブリアン」なのです。
その希少さゆえに、1枚のステーキで数万円といったブランド和牛もあるほどです。
「ヒレ」の先端「ミニョン」、付け根「テート」、側面「サイドマッスル」
「ミニョン」は実はシャトーブリアンより更に希少で、1頭から500g程度しかとることが出来ません。
霜降りの量がシャトーブリアンより更に多く、たくさんの筋に囲まれているため、綺麗にスジ引きをするとほとんど残りません。
また先端なので形が細く、シャトーブリアンのような大きい断面でカットすることが出来ないため、5cmほどの厚切りステーキなどで提供することもあります。
シャトーブリアンより更に柔らかいのですが、通常はヒレ肉と命名して売られており、わざわざミニョンと名付けされていないので食べれる機会は滅多にないでしょう。
当店の商品の中では、ヒレ(小)という商品の方にミニョンが多く入っています。
「テート」はシャトーブリアンを挟んでミニョンと逆側にあり、モモに近いため霜降りが少なくなっています。
赤身の風味がより強くなっており、一般的にヒレステーキというとこの部位を指すことが多いです。
ミニョンと違ってずんぐりむっくりな形状をしており、カットすると大きな断面となります。
そのため当店の商品の中では、ヒレ(大)という商品の方にテートが集中して入っています。
「サイドマッスル」はヒレの側面に紐状に付いている、中にスジが多い部位です。
一般的にはわざわざ成形時点で外さず、ステーキカットする際に付いたままになっており、当店もそのように対応しています。
牛肉・黒毛和牛の「ヒレ」のお肉の特徴
「ヒレ」の特徴は以下の通りです。
・脂が少ない赤身肉
モモや肩(ウデ)とならび、「ヒレ」は牛肉の赤身肉となります。脂が少ないため、牛肉をさっぱりと食べたい方におすすめ。年齢をとわず、カロリーが気になる方にも、楽しんで頂くことができます。
・柔らかい肉質
「ヒレ」の最大の特徴はお肉の柔らかさ。
赤身肉は運動が比較的多い肩やモモといったお肉となるため、少し硬い傾向にありますが、「ヒレ」は赤身にも関わらず柔らかいのが特徴となります。
その中でも神戸牛、仙台牛といったA5ランクのブランド和牛、黒毛和牛はとろけるような柔らかさを楽しむことができます。
・希少部位のため値段が高い
赤身なのに、柔らかいお肉ということで人気な「ヒレ」なのですが、一番のデメリットはそのお値段。一頭の牛からとることができる量が限られていることもあり、代表的なステーキ肉として利用されるサーロインに比べても、約1.5倍のお値段となっています。
さらに「ヒレ」のなかでも希少部位のシャトーブリアンは、約2.5倍のお値段となっています。
<当店取り扱い仙台牛>
・サーロインステーキ:2200円/100g
・ヒレステーキ:3600円/100g
・シャトーブリアンステーキ:5333円/100g
ステーキ屋さんで聞くテンダーロインとは?
少し話がそれますが、ステーキ屋さんで聞く「テンダーロイン」とはどこの部位なのでしょうか。わたしも「サーロイン」か「テンダーロイン」と聞かれ、「ヒレ」はないの??なんて思っていたときもありました。
実は「テンダーロイン」も「ヒレ」肉のことを指しています。主にアメリカ産の牛肉の「ヒレ」肉が「テンダーロイン」と呼ばれています。
その他にも近畿地方では「ヘレ」、フランス語発音で「フィレ」と呼ばれることもありますが、こちらはすべて「ヒレ」と同じ部位を呼んでいます。
気になる牛肉の「ヒレ」のカロリーは?
次は赤身肉である「ヒレ」のカロリーを見ていきたいと思います。
「ヒレ」のカロリーは223kcal(100gあたり)と、「サーロイン」の498kcalと比較し半分以下のカロリーとなっています。これがヘルシーにステーキを楽しみたい方に、「ヒレ」肉がお勧めされる理由です。
※文部科学省 日本食品標準成分表2015年による
牛肉・黒毛和牛の「ヒレ」を使ったおすすめ料理法
「ヒレ」を使った代表的な料理は、ステーキとローストビーフではないでしょうか。
「ヒレ」は、サーロインがステーキの王様と呼ばれる霜降り部位なのに対して、ステーキの女王と呼ばれる赤身肉の最高峰の部位になります。
「ヒレ」ステーキ
「ヒレ」を使った一番の代表的な料理がステーキとなります。ステーキは肉のおいしさを、そのまま味わうことができることが、一番の理由ではないでしょうか。
「ヒレ」ステーキの味付けのおすすめは、塩・こしょうで、肉本来のおいしさをお楽しみください!
「ヒレ」のローストビーフ
ローストビーフも「ヒレ」を使った料理として一般的です。ローストビーフはモモの赤身肉を使うことが一番多くなっていますが、「ヒレ」肉を使うことで、もっと柔らかくとろけるようなローストビーフを楽しむことができます。
ローストビーフのレシピについては以下の記事でご紹介しておりますので是非ご覧ください。
「ヒレ」を使ったステーキの焼き方のコツ
せっかく購入した「ヒレ」肉、おいしく焼くコツを伝授いたします。
<解凍・常温化>
冷凍肉からの解凍は、急いで解凍するとドリップ(水分)がたくさんでてしまい、パサパサのお肉になってしまうので、冷蔵庫で半日ほどかけてゆっくりと解凍するのがおすすめです。
また、フライパンとの温度差を大きくしないために、調理の15-20分ぐらい前には、冷蔵庫から取り出し常温に戻すようにしてください。
<下ごしらえ>
簡単に塩・こしょうをするだけです。塩・こしょうは片面だけ、調理をはじめる直前にかけるようにしてください。塩・こしょうをかけてから時間が経過すると、こちらもドリップが出てきてしまいます。
<焼き方>
塩・こしょうをした面を下にして、強火で焼き上げます。
お肉をフライパンに入れる前に、敷いた油から少し煙が出るぐらいまで、しっかりとフライパンを温めてから、「ヒレ」肉をいれるようにしましょう。
キレイに焼き色がついたら、裏返して、もう片面も焼いていきます。
好みに応じて焼き時間の目安は以下のようになります。
レア:1分程度
ミディアム:2分程度
ウェルダン:2分半程度
店主の好みとしては、せっかくの「ヒレ」ステーキとなるため、レア~ミディアムレア(1分~1分半程度)で、柔らかで肉汁あふれるステーキを楽しんで頂きたいと思います。
<お肉をやすませる>
実は最後においしく頂くための大事な行程がのこっています。
焼きあがったら、フライパンに蓋をするか、アルミホイールに焼きあがったお肉を包んで、お肉を休ませましょう。お肉の旨味を流れ出させないための、大事な・大事な行程です。
5-10分程度、お肉を休ませた後、カットして調理完了となります。
こちらステーキの焼き方についての動画となります。あわせてご視聴いただけたらと思います。
「ヒレ」を購入したい目的・シーン
「ヒレ」肉は次のようなシーンでご利用頂くことがおすすめです。
・さっぱりと柔らかいステーキを楽しみたい
サーロインに比べ脂が少なくさっぱりとしたステーキを楽しむことができます。美味しい和牛は食べたいけど、最近、胃がもたれるといった方にも、「ヒレ」ステーキはおすすめです。
当店ではご自宅用でお手軽に「ヒレ」ステーキを楽しんで頂くため、スポットではありますが、国産牛の「ヒレ」ステーキ肉をご用意しております。
・大切な方への贈り物
誕生日やお歳暮、還暦、古希といった長寿のお祝いにも、「ヒレ」肉は大変喜んで頂ける商品です。特に神戸牛や仙台牛といった有名ブランド和牛の「ヒレ」肉は、もらった人の喜びもひとしおではないでしょうか。
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