仙台牛の定義とは?仙台牛の特徴と美味しいレシピをプロのシェフがお教えします!

仙台牛 レシピ

日本のブランド和牛はたくさんありますが、仙台牛はブランド和牛の中で唯一、厳しい基準をクリアした肉質の最高ランク『5』の牛肉だけが『仙台牛』の称号を与えられるという規定があります。

仙台牛の味は、ジューシーな脂の甘味と旨味、柔らかい肉質が特徴です。極上品でありながら、比較的安く入手しやすいのも魅力的です。

今回は、仙台牛の定義とその特徴、美味しい食べ方について、肉選びのプロの料理人がお教えします。

 

仙台牛の定義とは?

仙台牛銘柄推進協議会によると、仙台牛の定義とは、
・黒毛和種であること
・仙台牛生産登録農家が個体に合った適正検査を行い、宮城県内で肥育された肉牛
・仙台牛銘柄推進協議会が認めた市場共進会等に出品されたもの
・(社)日本食肉格付協会枝肉取引規格が、A5またはB5に評価されたもの。

となっています。宮城県の畜産試験場で昭和6年から肉質の向上を図るために兵庫県から仕入れた種牛から改良を重ね、昭和49年『茂重波号』という大変優れた牛から最高級品質の牛肉を生み出すことに成功し、以来、試行錯誤を繰り返すことにより高級ブランド和牛としての地位を確立してきました。

宮城県の肉牛の中で3割程度しかおらず、全国でも唯一のA-5、B-5のみという厳しい基準と長い研究の歴史により、ブランドとしての仙台牛の価値が築きあげられ、守られています。

 

牛肉の格付け基準とは

牛肉の取引をする際のめやすとして、㈲日本食肉格付協会によって、牛肉は格付けされており、その等級が高いほど良い肉として高値で取引されます。

牛肉の格付けには2種類の等級が使われています。一つはA、B、Cの歩留まり等級、もう一つは5~1の5段階の肉質等級です。

・歩留まり等級…生体から皮、骨、内蔵などを取り去った肉を枝肉(えだにく)と呼ぶ。一等からとれる枝肉が多い方が良いとされ、その割合の大きい方から順にA>B>Cのランクづけされている。
・肉質等級…脂肪交雑、肉の色沢、肉のしまりときめ、脂肪の色沢と質の4つの判定基準から、5〜1のランク付けがされる。脂肪交雑は霜降り具合、肉の色沢は赤身肉の色と光沢、肉のしまりときめは見た目の締まりとキメの細かさ、脂肪の色沢と質は脂身の色や質を表す。

これらの2つの判定基準から、総合的にランク付けされ、A-5から、C-1までの等級が与えられ、肉を選ぶ時の参考基準になっています。

 

仙台牛の特徴

仙台牛の食味の特徴は、ジューシーな脂の甘みがあり、口当たりが良くまろやかで柔らかいことです。脂(サシ)と赤身のバランスが良く、きめ細かな肉質は、仙台牛のこだわりの飼育方法によって作られています。

仙台牛は飼育方法に2つの特徴があります。まず、全国有数の米どころの宮城ということで、ササニシキやひとめぼれなどの稲わらをたっぷり食べて育ちます。良質な水とエサで雑味がなく甘い香りと濃厚な味のある肉が形成されています。
さらに、仙台牛は3年かけて丹精込めて飼育されています。宮城は子牛の産地でもあることから、子牛の時から、仙台牛になるべく優れた環境と愛情で育てられるのです。そのため、味のブレがなく、ブランドとしての仙台牛の美味しさを守り続けられています。

 

部位ごとの違い

仙台牛の部位ごとの違いをいくつか説明します。購入の際の参考にしてくださいね。

・サーロイン…柔らかくジューシーな霜降りを味わいたいなら、最高の部位はサーロインです。牛の腰のあたりの肉で、赤身にきめ細かく入り込んだ脂によるとろける口あたりは極上食感です。ステーキや、しゃぶしゃぶ、すき焼きがおすすめです。
・リブロース…サーロインと肩ロースの間にある部位。サーロインほどの脂はありませんが、赤身と脂のバランスがちょうど良く、柔らかくジューシーな仙台牛の旨味を存分に味わえます。ステーキやしゃぶしゃぶ、すき焼きがおすすめです。
・肩ロース…牛の肩の部分の肉です。赤身の中にはほどよくサシが入り、濃厚な肉の旨味と風味の良さがバランスよく味わえます。おすすめ料理は、しゃぶしゃぶ、すき焼き、焼き肉、煮込みなどオールマイティに肉そのものの味を感じられます。
・ヒレ…一頭の中でもほんの少ししか取れない、最高級希少部位。脂は少ないですが、柔らかくしっとりとした上品で柔らかい肉質が味わえます。ステーキやローストビーフ、和風の炙り焼きなどがおすすめです。
・ウチモモ…柔らかい赤身肉です。腰からモモ、脚にかけて、ランプ、イチボ、ウチモモ、外モモ、スネなどの部位がありますが、ウチモモは脚の中でも最深部にあり、柔らかく噛めば噛むほど旨味の溢れるさっぱり食べられるのに濃い肉の味が楽しめます。牛たたき、ローストビーフ、サイコロステーキがおすすめです。

・牛タン…仙台名物と言えば、牛タン焼きですが、実は、通常お店で出されている牛タンは外国産が多いです。また、国産でも仙台牛や宮城県産牛とは限りません。仙台牛自体高級和牛で生産数も少ないため、希少部位の牛タンはあまり出回りませんが、仙台牛の他の部位同様、ジューシーで柔らかく、旨味がたっぷあるのが特徴です。

 

購入時の注意点と保存方法

どんなに良いお肉でも、鮮度と保存方法は大事です。
・鮮度の良いもの(ドリップが出ていない、変色していない、冷凍ヤケがない)を選びましよう。
・購入したら、冷蔵庫でゆっくり解凍して、1.2日で使い切りましょう。冷凍品なら、すぐ食べない時は冷凍庫へ。また、再冷凍する際は、小分けにしてラップと袋で密封して急冷、1〜2週間で使い切るように意識すると、美味しさを損なわずに食べられます。

 

仙台牛を使った料理レシピ

仙台牛の美味しさを活かすおすすめの料理レシピをご紹介します。

 

仙台牛とセリの牛鍋

宮城県は、セリも特産品です。合わせ出汁で仙台牛とセリなどの野菜をしゃぶしゃぶして、タレをつけずにいただきます。

材料

(4人前)
仙台牛しゃぶしゃぶ用スライス 400g〜
仙台セリ 2束
長ネギ 2本
豆腐、葛切り、えのきなどお好みの具
※鍋の出汁
鰹出汁などの出汁 4カップ
酒 1/2カップ
みりん 1/4カップ
醤油 1/2カップ

作り方

① セリはざく切り、他の野菜は食べやすく千切りにします。
② 鍋に鍋の出汁の調味料を合わせて煮立たせます。野菜を少量いれ、仙台牛をしゃぶしゃぶして、野菜を包んで一緒にいただきます。

 

仙台牛のたたき

ジューシーな仙台牛の脂の旨味をしっとりと味わえます。大人のお酒のアテに牛たたきの仙台味噌漬けも併せてご紹介します。

材料

(4人前)
仙台牛ウチモモかヒレ肉 300g
塩、コショウ
付け合わせ野菜 (大葉、オニオンスライスなど)
薬味 (おろし生姜 おろしニンニク)
ポン酢

作り方

① 牛肉は焼く30分くらい前に冷蔵庫から出して置き、塩コショウをふります。
② 焼き網かフライパンで、強火で表面を1分ずつ焼いたら面を変え、2周焼いたらアルミホイルにくるみ、温かいところにおいて20分くらい余熱で中まで火を通します。
③ すぐ食べない時は冷蔵庫で冷やします。食べる時に薄くスライスして、付け合わせ野菜、薬味を添え、ポン酢につけていただきます。
④ 仙台味噌100g、白味噌100g、酒粕50g、酒、みりん各50cc、砂糖大さじ3をポリ袋などでよく混ぜ、②で焼いた後の仙台牛を漬け込んで、一晩から1日漬けておくと、前菜やおつまみにぴったりの仙台牛の味噌漬けができます。

 

仙台牛ステーキ丼

米どころ宮城の美味しいご飯に仙台牛ステーキを乗せて贅沢な丼ものにします。

材料

(4人前)
仙台牛サーロインやリブロースのステーキ用肉 240g
塩、コショウ 少々
ご飯 4膳
山わさび(ホースラディッシュ) 適宜
小ねぎ、のり、とろろ お好みで
※タレ
出汁醤油 大さじ2
酒 大さじ2
みりん 大さじ2
水 大さじ2

作り方

① ステーキ肉は焼く20分前に冷蔵庫から出しておき、塩、コショウを振ります。
② フライパンに脂を熱し、ステーキの両面を中火で2〜3分くらいずつ焼き、そのまま火を止めて置いておき、余熱で火を通します。
③ フライパンから肉を取り出し、食べやすくスライスします。肉を焼いた後のフライパンにタレの調味料を合わせ、少し煮詰めます。
④ 丼ご飯にステーキ肉をのせ、タレをかけて、とろろ、小ねぎ、のり、山わさびなどをお好みでトッピングします。

 

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