ブランド黒毛和牛の美味しいしゃぶしゃぶの作り方~牛肉の選び方から調理法までシェフがコツを教えます~
和牛しゃぶしゃぶは美味しい肉をシンプルにあっさり味わえて、子供から年配の方まで喜ばれるごちそう鍋ですよね。
ただお湯にさっとくぐらせて、タレにつけていただくだけでも充分美味しく、ブランド和牛の旨味を存分に味わえますが、タレや鍋の出汁にこだわれば、より美味しさを最大限に引き出せます。
また、ブランド和牛の脂の旨味をあっさり味わえる焼きしゃぶという食べ方もあります。
今回は、ブランド和牛の旨味を存分に味わえるしゃぶしゃぶの作り方のコツをプロの料理人がお教えします。
目次
しゃぶしゃぶ用和牛の選び方
しゃぶしゃぶは薄切り牛肉をテーブルでシンプルに茹でていただく料理ですから、肉選びにはこだわりたいところです。まずは、しゃぶしゃぶ用牛肉の選び方からお教えします。
部位ごとの違い
しゃぶしゃぶ用肉として、一般的に売られている部位で最適なのは、サーロイン、肩ロース、リブロース、ウチモモ、タンなどがあります。
それぞれの肉質の特徴を説明します。
☆脂の甘味が好きな人に
・サーロイン,リブロース…背中から腰にかけての部位で、サシ(脂)が多く入ったいわゆる「霜降り」牛肉。リブロースは肩寄り、サーロインはその隣の腰寄りの部位で、どちらも脂の甘味ときめの細かい肉質がとろける極上の食感が特徴です。
・肩ロース…リブロースの隣の肩の部分。赤身と脂のバランスが良く、しっかりとした濃厚な肉の味わいを楽しめる万人ウケの部位です。
☆赤身の旨味が好きな人に
・ウチモモ…他の部位に比べると脂肪分が少なく、ヘルシーであっさりした肉の旨味を楽しめる部位です。
☆食感を楽しみたい人に
・タン…タンはタンもとからタン先にかけて固くなりますが、しゃぶしゃぶ用に薄くスライスされていればコリコリとした食感が楽しめます。タン元は脂がのっていて柔らかく、タン先にかけて赤身になり食感が強くなります。
お好みに合わせて部位を選びましょう。
ブランドごとの違い
ブランド和牛のすき焼き・しゃぶしゃぶ用肉は種類も価格もとてもたくさんあって迷いますよね。各ブランドごとに力を入れている肉質や脂の入り方のポイントの違いはありますので、脂多めが良いとか、脂と赤身のバランスが良いのがいいとか、しっかりと噛み締める濃厚な味が好みとか、とろける食感を楽しみたいとか、予算と味の好みでよく見て選びたいものですね。
ブランド和牛はたいてい、きめ細かく脂が入った上質な牛肉が多いので、どれを選んでも脂の甘みやとろける食感は充分楽しめますよ。
購入時の注意点
しゃぶしゃぶはさっと火を通すだけなので、鮮度の良さは大事です。脂の乗っているブランド和牛は、油焼けといって、冷凍すると脂が酸化して臭みに変わることがあります。また、茶色や緑色、灰色っぽく変色し始めている牛肉は、しっかり加熱しないと食中毒を起こす可能性があるので、しゃぶしゃぶ用としてはなるべく避けたいところですね。
購入量のめやす
お店では、お客様がお腹いっぱい満足に食べられて、胃もたれしないような適量として、一人前は大体100gから200gくらいで計算されています。お子さんや食の細い年配の方は100gくらい、大人の方は200gくらいを目安に食べる方に合わせて計算しましょう。
おうちでもプロの味!~美味しい和牛しゃぶしゃぶの調理法~
良いお肉が手に入ったら、あとしゃぶしゃぶにとって大事なのは、お肉の味を引き出す鍋の出汁と、タレですよね。美味しいしゃぶしゃぶの作り方ご紹介します。
しゃぶしゃぶの下ごしらえ
しゃぶしゃぶ用肉には特に下ごしらえはいりません。取り分けやすい用に、パックからだし、一枚一枚フワッとお皿に盛っておきましょう。また、付け合わせの野菜はお好みですが、白菜、春菊、水菜、ネギ、きのこ、葛切りなどが一般的なしゃぶしゃぶの付け合わせです。材料が準備できたら、あとはテーブルで作りながらいただけるのでとても簡単ですよね。
和牛しゃぶしゃぶの調理法
和牛のしゃぶしゃぶに合う鍋のだしの作り方と、おうちでも作れる、プロも愛用するタレの作り方をご紹介します。
しゃぶしゃぶのだし作りのコツ
しゃぶしゃぶの鍋のだしは、ただお湯に昆布を入れただけの、昆布出汁でも良いのですが、もっと美味しいだし2種をご紹介します。
☆シンプル和風だし
たっぷりの水、水の1割の酒、1%程度の塩、出し昆布(だし1Lに対し5×5センチ程度)を入れて、火にかけます。肉をしゃぶしゃぶする時は、ボコボコ沸騰させ過ぎず、80℃くらいにします。あまり沸騰させすぎると、肉のタンパク質がすぐ凝固して食感が固くなるからです。また、酒や塩を入れることで、旨味が流れるのを防ぎ、肉に下味を付けて美味しさを引き立てます。
☆濃厚牛だし
香味野菜(玉ねぎやキャベツ、長ネギなど)とともに煮込んだ牛すじや牛すねの茹で汁を取って置いて活かした鍋だしです。
牛すじ(すね)は、さっと一回茹でてから、たっぷりの水、2割の酒、香味野菜とともに火にかけ、牛すじが柔らかくなるまでじっくり1時間半くらいコトコト煮て、スープを作ります。スープの残りの牛すじは牛すじ煮込みとして使い回しましょう。
このスープを冷やして、脂を取り除き、酒と塩を少々加えて、しゃぶしゃぶのだしとします。ただ、スープをとるのはとても手間がかかりますから、韓国の「牛肉ダシダ」という牛肉だしの素を使って簡単に作っても良いですよ。
こだわりのタレの作り方
材料を合わせるだけでできる専門店のしゃぶしゃぶタレのレシピ、ご紹介します。
◎自家製ポン酢
濃口醤油4:美味しい酢4:みりん1:柚子かかぼすの果汁1の割合で合わせるだけ。鰹節や昆布を入れて、冷蔵庫で1週間くらい寝かすといろんな料理にも使いまわせます。
◎濃厚!ごまダレ
①みりん90ccを電子レンジで加熱してアルコールを飛ばします。
②白すりごま150g、白練ごま大さじ4、甘くないピーナツバター大さじ1、砂糖大さじ3を練り混ぜます。
③水90cc、酢70cc、醤油70cc、①のみりんを合わせ、②に少しずつ加えて溶きのばします。仕上げにマヨネーズ大さじ2、タバスコ2ふりを混ぜ合わせます。お好みで鍋の出汁で伸ばしたり、ポン酢で伸ばしたりして使います。
和牛の焼きしゃぶの調理法
しゃぶしゃぶ用肉を焼肉のようにさっと焼いてしゃぶしゃぶのタレでいただく、焼きしゃぶもおすすめです。
だしに流れないので、良い牛肉の旨味はとじこめられ、噛み締めて存分に味わえる料理です。
作り方は食卓上でホットプレートや焼肉用のグリル板でしゃぶしゃぶ用牛肉をさっと両面焼いて、ポン酢などにくぐらせていただきます。焼肉のように、玉ねぎや椎茸、ナスなどの野菜を横で焼きながらいただきましょう。お肉は色が変わったらすぐ食べられます。脂が美味しいブランド和牛なら、焼肉よりさっぱりと、でも濃厚な肉と脂の味を楽しめますよ。
残ってしまった和牛しゃぶしゃぶ用肉を使った朝ごはん
ちょっと残ってしまったしゃぶしゃぶ用牛肉を使用した、次の日の朝ごはんやお弁当にぴったりのアレンジレシピご紹介します。
◎牛すき煮
すき焼き用の割下で厚めにスライスした玉ねぎとともに牛肉をさっと煮て、温泉玉子を落として丼にしたり、玉子とじにします。お肉が少なかったら、かさ増しに白滝や豆腐を入れて煮込んでも美味しいですよ。
◎野菜の和牛巻き
しゃぶしゃぶ用肉を広げ、茹でたアスパラガスや千切りにしたキャベツ、エノキなどを芯にして巻いて爪楊枝で止め、フライパンで焼きます。簡単に電子レンジで2.3分加熱して蒸し煮にしても良いです。大根おろしぽん酢や照り焼きのタレをかけます。
◎肉巻きおにぎり
おにぎりを小さめの俵型に握ります。醤油・酒・みりんを合わせてしゃぶしゃぶ用牛肉をくぐらせて、おにぎりを包みます。巻き終わりを下にして、オーブントースターで4〜5分焼きます。肉に火が通っていたら出来上がりです。ご飯に白ごまや生姜のみじん切り、ごま油を混ぜると風味が増しますよ。
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