ブランド黒毛和牛の美味しいステーキの作り方~牛肉の選び方から・調理法までシェフがコツを伝授します~

ステーキ 和牛

特別な日のごちそうに、ご家庭でもレストランで食べるステーキのような美味しいステーキを食べたいですよね?
例えば良い牛肉を入手した時、ステーキの焼き方は奥が深そうで難しそうだし、失敗したら台無しですから、調理の際には緊張するでしょう。
でも、悩まなくて大丈夫です。コツを押さえて調理すればご家庭でもレストランの味が再現できます。
今回はステーキ用の牛肉選びから、調理の仕方まで、美味しいステーキを作るコツをプロがお教えします!

 

ステーキ用の和牛の選び方

牛肉と言っても、輸入牛、国産牛、和牛、ブランド牛などたくさん種類があって違いがよくわかりませんよね。またどの部位がステーキに適しているか、よくわからない方もいらっしゃるかもしれません。

 

◎和牛の表記による違い

まずは牛肉の表記の違いを説明します。
・輸入牛…外国で育ち、加工された牛肉。米国産や豪州産が多い。アンガス牛、グラスフェッドビーフなどという表記も。
・国産牛…日本国内で飼育された牛を日本国内で加工した牛肉。外国産牛を子牛のうちに輸入して日本で肥育したもの(産まれた国より日本での飼育期間が長い場合)も含まれる。
・和牛…日本の在来種を元にに交配、改良された牛の品種。黒毛和種、褐毛和種、日本短角種、無角和種の4品種に限る。この4品種の中から交配し、日本国内で産まれ育った牛のみ「和牛」表記ができる。黒毛和種が90%を占める。
・ブランド牛…和牛の中でも特に厳しくこだわって育てられた牛。日本国内にブランド牛は320種ぐらいあり、各地で独自の細かい基準を設けて安心・安全なブランド牛を守っている。例えば、松阪牛、神戸ビーフ(牛)、米沢牛、近江牛、常陸牛、宮崎牛、飛騨牛、前沢牛、仙台牛など。

 

◎ブランド牛肉の肉質の特徴

では、日本三大ブランド牛と言われている松阪牛、神戸牛、近江牛を例に脂の入り方や部位などのちょっとした違いを説明しますので、肉選びの参考にしてくださいね。
・松阪牛…但馬牛などの黒毛和種の仔牛を松阪市近郊で肥育した未経産の牛。甘く上品な香りと、細かく入った脂(サシ)により舌に乗せるととろける脂の旨味が特徴。
・神戸牛…兵庫県産但馬牛の中でもさらに厳しい基準をクリアしたものが『神戸ビーフ(神戸牛)。赤身の中に入ったきめ細かい脂(サシ)により、口に入れるとほどける柔らかい舌触りと芳醇な香りと甘みのある脂の旨味が特徴。
・近江牛…但馬牛を血統のルーツに、滋賀県内で長期間肥育した牛。三大和牛の中でも歴史が400年と長い。芸術品のような脂(サシ)の入り方、きめ細かい肉質と融点が低く口の中で溶ける脂の芳醇な香りが特徴。

 

◎部位ごとの違い

ステーキ肉を選ぶ時に、いろんな部位の名前があって、迷いますよね。部位ごとの味の解説をします。
・サーロイン…脂の甘味と力強さ、赤身の旨味がバランス良く味わえる。
・リブロース…脂が細かく入り、きめ細かい肉質、脂身もジューシーで味が濃い。
・ロース…程よく脂が入り、柔らかい食感、濃厚な肉の旨味が楽しめる。
・ヒレ…シャトーブリアンもヒレの一種で、希少部位。上品な赤身肉で脂肪分は少なく、とても柔らかい。
・ランプ…肉の旨味を噛みしめて味わえる赤身肉。クセが少なく柔らかい肉質で、比較的あっさり楽しめる。

 

◎購入量の目安

一般的にレストランのステーキは、一人前80〜100g、フルコースの一品では50g程度で供されます。好みによりますが、一人前一食100gくらいで人数分を計算すると十分満足出来ますね。

 

ご家庭でもプロの味!~美味しい和牛ステーキの調理法~

ここからは下ごしらえから、一番大事なステーキの焼き加減まで、ご家庭でもレストランと同じ味が楽しめるような調理法、ちょっとしたコツをお教えします。

 

和牛ステーキ用 肉の下ごしらえのコツ

良いステーキ用肉を入手したら、まずは焼く前の下ごしらえが大事ですよね。下ごしらえのコツを押さえて、美味しく焼く準備をしましょう。

まず、部位に関係なく共通しているのは、肉を常温に置いておくこと。室温で30分くらい冷蔵庫から出して置きましょう。肉の表面と中の温度の差をなくすことで均等に火が入り焼きやすくなります。

次に、筋切りですが、サーロインやリブロース、ロースなどの脂身のところには筋が入っているのですが、輸入牛と比べ和牛は肉質が柔らかく、筋も同様に固くないので、神経質に筋切りする必要はありません。

それから、表面に美味しい塩、胡椒を振ります。塩加減は、肉の重量の1%が適量と言われています(100gに対して、ひとつまみ)。岩塩を挽いて使うと塩自体に旨味があるので、肉の味をさらに引き立てます。胡椒は振りすぎると肉の味を消してしまうので、香り付け程度の量を振りましょう。クレイジーソルトやハーブソルトなどのフレーバーソルトはハーブやスパイスが豊富に配合されているので、肉本来の味というより、パンチのあるバラエティに富んだ味付けを楽しみたい人向けの味付けになります。

和牛は、なんといっても上質な脂の甘みと肉の柔らかさや旨味が特徴なので、肉の味を活かしたシンプルな味付けがおすすめです。

 

和牛ステーキ用 肉の焼き方のコツ

下ごしらえができたら、後は焼くだけですが、この焼くというシンプルな調理なのにとても緊張しますよね。プロのコツ、焼き加減の見分け方について解説していきます。

◎焼き方のコツ

① フライパンをよく熱する。
…フライパンの表面が冷たいと、肉の表面から旨味が流れ出てしまいます。熱で牛肉の旨味を閉じ込めるため、フライパンは熱してから焼き始めましょう。
② 牛脂か、サラダ油を入れ、表になる面を下にして、肉を投入する。
…油を引き、肉を焼き始めます。もし、にんにくオイルで焼きたいときは、肉を入れる前に、油とにんにくをいれ、きつね色に色づいたらすぐ取り出します。にんにくは焦げやすいので注意しましょう。
③ 肉を投入したら、あまり動かさず、強火で焼く。
…肉を投入したら、あまり動かさず、30秒から1分、表面に焼き色がつくまで強火で焼き、一気にひっくり返します。肉にこまめに触ると肉汁が流れて旨味が出てしまうためです。また、秒数でなく、少し覗いて見て、肉の表面に焼き色がついたか確認してから返しましょう。
④ 焼き加減の調整をする。
…レア・ミディアムレア・ミディアム・ウェルダンを焼き分けます。肉を返してからの焼き時間、肉の表面を横から見た感じ、焼いた後の置き時間などで調整します。
⑤ フライパンから上げて、肉を休ませてからカットする。
…焼き上げてすぐ肉を切ると、一気に肉汁が流れ出て、旨味も流れてしまいます。肉を

焼いたら、皿やバットなどにのせ、温かいところで5分くらい置き肉汁を落ち着かせます。また、余熱でじんわり中も温まるので、口に入れた時の脂の溶け方も良くなります。

和牛は脂がきめ細かく入り、柔らかい肉質が特徴なので、サッと表面を焼いただけでも中まで火を通しても美味しく食べられます。ほどよい脂の口溶けには、ミディアムレアからミディアムくらいの焼き方がおすすめです。
ヒレなどの赤身肉は脂が少ない分パサつきやすいので、ミディアム・レアかレアでしっとりとした赤身の柔らかさを引き出しましょう。
焼き過ぎるとやはり硬くなりますし、焼く時に押し付けたり、こまめに肉に触ってしまうと美味しい脂、肉汁が流れ出てしまうので気をつけましょう。
また、鉄板焼き屋などで、香り付けにブランデーなどでフランベ(強火でアルコールを飛ばす)する技を見ますが、家庭では火柱が立つと危ないので、焼き上がりにフライパンにほんの小さじ1くらい、肉の周りにさっと回し入れて馴染ませる程度にしましょう。

 

あなたの好みは? レア・ミディアム・ウェルダンの焼き加減

こちらは好みにあわせた焼き加減の目安時間になります。
○レア…中がほとんど生の状態。1分強火で焼く。
○ミディアム・レア…中心部がまだ生の状態。1分半強火で焼く。
○ミディアム…中心部が程よくピンク色に火が通った状態。1分強火で焼き、弱火に落として1分半くらい焼いたら、肉をアルミホイルで包むかフライパンに置いたまま火を消し、ふたをして5分くらい置き、余熱で火を通す。
○ウェルダン…中までしっかり火を通した状態。強火で1分半、弱火に落として2、3分焼き、完全に火を通す。

 

残ってしまった和牛ステーキを使った美味しい朝ごはん

美味しいステーキでも、お腹いっぱいで次の日まで少し残してしまうこともありますよね
残してしまった和牛ステーキを次の日の朝ごはんで美味しくいただくアイディアレシピ、ご紹介します。

◎ステーキ

ステーキを一口大に切り、炊き立てのご飯の上にのせ、余熱でほんのり温めておきます。ご飯をよそい、ステーキをのせ、卵黄やバターをのせ、醤油かステーキソースをかけ、万能ネギを振ります。

◎ステーキピラフ

余ったステーキを3ミリ角くらいに切ります。バターで玉ねぎとピーマンのみじん切りとともにご飯を炒め、塩胡椒で味付けをしたら、ステーキを入れて炒め、ステーキソースを回し入れて絡めて炒め上げます。

◎ステーキと玉ねぎ煮

余ったステーキを薄切りにしておきます。くし形に切った玉ねぎをすき焼きのタレで煮て、ステーキのスライスを入れてさっと温めて出来上がりです。豆腐やえのき、青菜などを入れて、温泉卵を添えて、すき焼き風味の煮込みにすると豪華です。

◎ステーキサンド

余ったステーキを軽く温めてスライスして、レタスやとまと、オニオンスライスをパンにのせ、ステーキソースとわさびやホースラディッシュで味をつけて挟みます。

脂の旨味と柔らかさが特徴の和牛ステーキは、一晩たっても美味しく食べられます。それでも、焼き直したり、加熱しすぎると固くなったり、パサつくので、軽く温める程度の調理がおススメです。

 

是非、ご家庭でもレストランと同じ美味しいステーキの味を楽しんでください!

 

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